まつ毛が減ってきた気がする。年齢のせい?マツエクのせい?メイクのせい?そんなことを思った経験はありませんか。実は、年齢を重ねるとまつ毛も減っていくのです。
年齢が上がるとともにまつ毛が減った、抜けやすくなったと感じる女性は多く、30代後半になるとよりまつ毛の減少を実感します。実際に20代と50代ではまつ毛の長さもボリュームも差があり、年齢とともにまつ毛が減るというのは事実です。まつ毛が減ると毎日鏡を見るたびに落ち込んだり、つけまつ毛やマツエクを取ったときに悲しくなったりする人もいるのではないでしょうか。
一体なぜまつ毛は年齢とともに減るのでしょう。
要因1:細胞の減少・機能低下
まつ毛は、毛母細胞という細胞の中で育てられます。20代前半までの若いうちは細胞は活性化していて、まつ毛を作る働きも活発です。しかし、年齢を重ねるごとに、細胞の数は減少し、細胞の働きも低下していきます。毛母細胞の数が減少すると、まつ毛を作る細胞が少なくなるわけですから、まつ毛が増えるのが遅くなる、生えてきたまつげを維持できなくなる、といったことが起こります。また、毛母細胞が傷ついた時に修復する力も年齢とともに低下します。そうすると、細胞が傷ついても修復されず、細胞の数が減少したり、抜けるまつ毛の本数が多くなったりするのです。
要因2:血管の老化
全身には血管が張り巡らされていますが、目元を走っている血管は、特に複雑で、細く切れやすい毛細血管が皮膚の下で複雑に絡み合っています。そのため、血流が滞りやすく、老化が現れやすいのです。年を取ると目元にシワができて老けて見えやすくなるのもそのせいです。年齢を重ねると、血管を作るコラーゲンの弾力が失われ、どんどん固くもろい血管になります。そうなると、目元に十分な酸素や栄養が血管を通して十分に運ばれなくなってしまい、目元の老化を引き起こすのです。
要因3:水分保持能力の低下
年齢を重ねると、肌の水分維持能力が低下します。10代に比べ、肌の乾燥が気になるようになったという方も多いのではないでしょうか。こうした肌の乾燥は目元も例外ではなく、これが肌のバリア機能の低下をもたらします。肌が乾燥しているときは敏感状態になり、例えばマツエクをつけても、普段は大丈夫なのに、接着剤などの刺激でかぶれてしまう場合もあります。乾燥肌では、外部からの少しの刺激でも耐えられず、まつ毛も簡単に抜けてしまいます。
要因4:ホルモンバランスの変化
女性は、生理周期に合わせて体内ホルモンが変化しますが、年齢を重ねるとともに卵巣機能は低下し、50歳前後で閉経を迎えます。卵巣機能が低下すると、卵巣から分泌される、プロゲステロンとエストロゲンという2種類のホルモンが急激に減少します。プロゲステロンは生理前のイライラなどを引き起こすホルモンですが、これは同時に毛の周期の長期化も行っています。また、エストロゲンはコラーゲンの生成を行い、毛のハリやコシを作っています。つまり、これらのホルモンが減少すると、まつ毛が生えてきてもすぐに抜けるのに生え変わりが遅いため、まつ毛の本数が少ない期間が長い、まつ毛が生えてきてもハリやコシが少なく細いためボリュームがないと言った事態を引き起こします。
要因5:メイクダメージの蓄積
まつ毛は頭髪に比べて皮膚の非常に浅いところに毛根があります。また、皮膚自体も非常に薄いため、そもそもダメージを受けやすく、抜けやすいものです。そこに毎日のお化粧やクレンジングが重なると、ご想像の通り、まつ毛のダメージは相当大きいものになります。ビューラーでまつ毛を引っ張ることや根元から上げることによるダメージや、ゴムを長年変えていないことにより直接金属で挟み込んでしまうことによるダメージがあり、マスカラをした後の使用によりまつ毛が抜けてしまうこともあります。メイクでは、目のキワに塗るアイシャドウやアイライン、マスカラの重ね塗りなどがあります。つけまつ毛は、接着剤が自まつ毛にくっついてしまうと、つけまつ毛を外すときに自まつ毛も一緒に抜け、細胞もダメージを受けてしまいます。同様にマツエクもまつ毛の負担となりえます。自まつ毛に対して過度に長いマツエクや、量の多いマツエクは、マツエク自体のもちを悪くするだけではなく、自まつ毛に対して大きな負担となります。また、クレンジングでは、目元を強くこすることによりまつ毛に負担がかかります。クレンジングが不十分である場合も、毛根に蓋をしてしまい、発育に影響を与えます。これらを何年も続けていると、まつ毛は大きなダメージを受け、減っていってしまいます。
<まつ毛の減少を防ぐために>
年齢によってまつ毛が減るのは仕方のない部分もあります。では、それらの進行を少しでも遅くするにはどうしたらよいのでしょうか。まず、目元・まつ毛のケアとして、アイクリームやまつ毛美容液の使用があります。そして、目元に与えるダメージを小さくするために、目元を強くこすらない、目元のメイク落としは専用のリムーバーを使うなどが挙げられます。また、毛はたんぱく質でできているため、たんぱく質のとれるバランスの良い食事を心掛けましょう。細胞の新生に欠かせない亜鉛も摂取するとなお良いです。そして、血流をよくするために、目元を温めたり、湯船につかったりするのも良いでしょう。マツエクをする際は、自まつ毛の量や長さに見合ったマツエクをつけるとまつ毛の負担を減らすことができます。また、予防ではなく対策として、「もう自まつ毛が減ってきたのが気になる!」という人には、負担の少ないマツエクをすることで、自まつ毛の少なさをカバーできるという方法もあります。